Chapter4 ハハは魔法使い
毎日毎日薄氷を踏むような思いでビクビク過ごしておりますが、まだ2月なんですか。そうですか・・・。
さて、ハハとの再生活で気づくことも多々ありますが、日常においてほとんど全てのものが瞬間的にしか認識できないとしたら、認知症のハハにとって日々どんなに驚きかつ恐ろしいものなんでしょう!
・・・わかっています。
・・・わかってるってば!
・・・けれど‼︎
あまりにも認知しなさすぎ(もしくは一瞬で忘れる)モノ、コトが多くなると、ついつい突っ込みたくもなるってもんです。
例えば。
帰宅すると調理台の上に封の開いたインスタント甘酒があったとしますね。
ほう、こんなの飲むんだと思いつつ通りすぎると、
「ねぇ、これどうしたの?」
「え?ワタシ今帰ったばっかりだし、ここにあったけど?」
「そうなの、見たことも聞いたこともないこんなもん、ずっとここにあるのよねぇ」
「は?」
例えば。
冷蔵庫開けて何か食べているハハ。
「この干し柿、あんたが買ってきたん?」
「え?ワタシ知らないけど?」
「あんたやろ?ワタシ今初めて見たんやから」
「へ?」
例えば。
野菜室に丸ごとキャベツが2個。
「知らんうちに野菜がいっぱいすぎてドアしまらんわ。あんたいつの間に買ってきたん?
「・・・・」(行ってません)
もうね、きりがないくらい毎日こんな感じです。
ハハにとって本当に”知らない” ”買ってない” ”見たこともない”モノたちなんでしょう。
ワタシがしたことで丸くおさまるならばそれもよかろうです。
ところが問題は増やすことより減らすこと。
そう、なぜか大事なものに限って、必ずどこぞに消し去ってしまうのですね。
年金や医療関係の証書や通知書、通帳に各種カード類。
自慢じゃないけどこの3年ほどで、ワタシの探索力はすさまじくレベルアップしました。
ほぼ100%、ハハのしまい込み隠し込んだものを見つけ出す自信あり。
そしてお決まり通り、全てワタシのせいになります。
”勝手に通帳を持ち出し” ”カードを使いまくり” ”なけなしの年金を食いものにする”
”泥棒ムスメ”
そして大泥棒なワタシは、今日も罵倒されながらハハのタンスをごそごそ探り、通帳探しに精を出しております。
しくしく・・・
本日の見護りポイント
- ハハの世界は絶対なり(問答無用)
- 探し物はアタリをつけよう
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